2026/10/13
無垢材と塗り壁の経年変化を楽しむ素材選び|「古びる」ではなく「深まる」家へ
名古屋市、北名古屋市を中心に完全注文住宅の家づくりをしています、ファンナハウス渡邊です。
新築のときがいちばん美しく、あとは少しずつ古びていく。多くの住まいはそうかもしれません。
しかし、無垢材や塗り壁のような自然素材は違います。日差しを受け、手に触れられ、暮らしの時間を重ねるほどに、色が深まり、艶が生まれ、その家だけの表情になっていきます。
このコラムでは、ファンナハウスが大切にしている「年月とともに魅力を増す素材」について、選び方と付き合い方をお伝えします。
経年変化と経年劣化の違い
同じ「時間による変化」でも、価値が下がっていくものを経年劣化、味わいが増していくものを経年変化と呼び分けることがあります。
- 経年劣化:表面がはがれる、色あせて安っぽく見える、交換するしかない
- 経年変化:色が深まる、艶が出る、小さな傷も風合いになる、手入れで蘇る
素材を選ぶことは、10年後・20年後の家の表情を選ぶことでもあります。
無垢フローリング──樹種で変わる、時間の表情
無垢材は、一本の木から切り出した天然の木材です。表面に化粧シートを貼った複合フローリングとは異なり、削っても同じ木が現れるため、傷や汚れも手入れで整えることができます。
樹種によって、経年変化の方向はさまざまです。
| 樹種 | 新築時の印象 | 経年変化の傾向 | 合う空間 |
|---|---|---|---|
| オーク(ナラ) | 明るいベージュ | 飴色に深まり、落ち着いた艶が出る | 北欧・ナチュラルモダン |
| ウォールナット | 濃いチョコレート色 | 少しずつ明るくなり、やわらかな褐色に | ホテルライク・モダン |
| チェリー | 淡いピンクベージュ | 赤みを帯びた深い色へ大きく変化 | クラシック・上質なナチュラル |
| パイン・スギ | 白っぽくやわらかい | 黄色〜飴色へ。やわらかく傷も味に | カジュアル・素足で過ごす家 |
※変化の度合いは、日当たり・塗装・使い方によって大きく異なります。

塗り壁──光を受けて表情が変わる壁
塗り壁は、職人がコテで仕上げる壁です。ビニールクロスにはない、やわらかな陰影と手仕事の跡が魅力です。
- 漆喰:石灰を主原料とする伝統的な塗り壁。空気中の二酸化炭素と反応しながら、時間をかけてゆっくりと硬化していきます。
- 珪藻土:植物プランクトンの化石を原料とする塗り壁。多孔質な構造で、調湿性に優れるとされます。
コテ跡の残し方ひとつで印象が大きく変わるのも塗り壁の面白さです。間接照明で斜めから光を当てると、昼とはまったく違う表情が浮かび上がります。
知っておきたい注意点
自然素材は「生きている素材」です。良さと同時に、次のような性質も理解しておく必要があります。
- 無垢材は伸び縮みする:湿気を吸うと膨らみ、乾燥すると縮みます。冬場に板と板の間にすき間ができることがあります。
- 傷やへこみはつく:やわらかい樹種ほど傷がつきやすくなります。それを「味」と感じられるかどうかが、選ぶ前のポイントです。
- 塗り壁は小さなひびが出ることがある:建物の動きや乾燥によって、ヘアクラックと呼ばれる細いひびが出ることがあります。
- 初期費用は上がりやすい:一般的なフローリングやクロスに比べ、材料費・施工手間ともにかかる傾向があります。
長く美しく保つ、お手入れの考え方
- 床:日常は乾拭きが基本。オイル仕上げの場合は、年に1〜2回程度のオイルメンテナンスで艶と保護力が戻ります。
- 壁:軽い汚れは消しゴムや紙やすりで落とせることもあります。補修のしやすさは素材と仕上げ方によって異なります。
手をかけることを負担ではなく、住まいと向き合う時間として楽しめる方にこそ、自然素材はおすすめです。
ファンナハウスの素材選び
ファンナハウスは、人と同じく年月を重ねながら、より深い魅力をまとっていく素材を選んでいます。
新しいときの美しさよりも、10年後に「この家にしてよかった」と思える美しさを。床の色、壁の質感、手に触れる部分の素材まで、暮らし方とあわせて一緒に考えます。
よくあるご質問
Q. 床暖房と無垢フローリングは併用できますか? A. 床暖房に対応した無垢材を選べば可能です。樹種や仕様によって対応・非対応があるため、計画段階でご相談ください。
Q. ペットや小さな子どもがいても無垢材で大丈夫ですか? A. 傷はつきますが、削ったりオイルを塗り直したりして整えられるのが無垢材の良さです。傷が目立ちにくい樹種や仕上げを選ぶ方法もあります。
Q. 塗り壁にすると汚れが目立ちませんか? A. 素材や色によって変わります。手が触れやすい場所だけ仕上げを変えるなど、場所ごとに使い分けることもできます。
まとめ
- 無垢材や塗り壁は、時間とともに味わいが増す「経年変化」を楽しめる素材
- 樹種によって色の変化の方向が異なるため、10年後の表情まで考えて選ぶ
- 伸び縮み・傷・ひびなど、自然素材ならではの性質を理解しておく
- 手入れで蘇ることが、長く住むほどの価値につながる
素材の質感は、写真では伝わりきりません。実際に触れて、光の当たり方を見て、選んでいただくのがいちばんです。
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