2026/11/04
ホテルライクな住まいのつくり方|素材・照明・造作で整える上質な空間
旅先のホテルに入った瞬間、ふっと肩の力が抜ける。そんな心地よさを、毎日の住まいに取り入れたいという声をよくいただきます。
ホテルの心地よさは、高価な家具や設備だけで生まれるわけではありません。色が絞られ、光がやわらかく、物が見えない。「整っていること」が正体です。
このコラムでは、注文住宅でホテルライクな空間をつくる5つの要素と、取り入れる前に知っておきたいことをお伝えします。
ホテルライクの正体は「整っていること」
ホテルの客室には、生活のための道具がほとんど見えません。色や素材の数が少なく、照明は天井から照らすだけではありません。住宅でこの状態をつくるには、設計の段階で「何を見せ、何を隠すか」を決めておくことが大切です。
ホテルライクをつくる5つの要素
1. 色と素材を絞る
床・壁・天井のベースカラーを約7割、家具や建具のサブカラーを約2割強、アクセントをわずかに。色をこのような配分で絞ると、空間に落ち着きが生まれます。素材も、木・石・金属などを数種類に絞り、家全体で繰り返し使うと統一感が出ます。
2. 光を「点」ではなく「面」で計画する
天井の真ん中に大きな照明を一つつけるのではなく、壁や天井を照らす間接照明や、必要な場所だけを照らす照明を組み合わせます。光の色は、やわらかな電球色を基本にすると、夜の空間が落ち着きます。
3. 生活感を「隠す」収納
ホテルライクでいちばん差が出るのが収納です。家電、書類、日用品の置き場所を設計の段階で決め、扉の内側に収めます。コンセントやWi-Fiルーターの位置まで考えておくと、配線も見えにくくなります。
4. 造作家具と建具で線をそろえる
壁面に合わせてつくる造作家具や、天井までの高さがあるハイドアは、空間の線をそろえてくれます。扉の上の壁(下り壁)がなくなるだけでも、天井が高く、すっきりと見えます。
5. 水まわりを「客室」のように
洗面やトイレは、ホテルらしさがいちばん伝わる場所です。造作の洗面台、大きな鏡、間接照明、タオルや日用品を隠す収納を組み合わせると、毎朝の身支度の時間が変わります。

取り入れる前に知っておきたいこと
- 掃除と手入れ:石や黒い仕上げは、水あかや指紋が目立ちやすいことがあります。素材ごとの手入れ方法を確認して選びましょう。
- 「暮らし」を優先する:ホテルは数日を過ごす場所、住まいは何十年も暮らす場所です。子どもの成長や趣味の道具も含めて、収納量を確保します。
- 費用のかけどころ:造作や間接照明を家中に入れると、費用は上がります。リビングや洗面など、毎日長く過ごす場所に集中させるのが効果的です。
ファンナハウスの考え方
ファンナハウスが大切にしているのは、「見た目の上質さ」と「暮らしやすさ」の両立です。素材や照明、造作家具を、お客さまがお持ちの家具や持ち物の量に合わせて計画します。大切にしている北欧家具を主役にしたい、といったご要望もお聞かせください。
よくあるご質問
Q. 子どもがいてもホテルライクにできますか? A. できます。おもちゃや学用品の置き場所をあらかじめ計画し、扉のある収納に片づけられるようにすると、整った状態を保ちやすくなります。
Q. 間接照明は暗くなりませんか? A. 間接照明だけでは暗い場所もあるため、手元を照らす照明と組み合わせます。調光できるようにすると、時間帯ごとに明るさを変えられます。
Q. 後から家具で整えるのではだめですか? A. 家具でも印象は変わりますが、照明の位置や配線、収納の量は建てた後に変えにくい部分です。設計の段階で一緒に考えるのがおすすめです。
まとめ
- ホテルライクの正体は、色・光・物が「整っていること」
- 色と素材を絞り、光を面で計画し、生活感を隠す収納をつくる
- 造作家具やハイドアで線をそろえ、水まわりを客室のように
- 手入れ、暮らしの収納量、費用のかけどころを先に決めておく