2026/11/02
耐震等級3は「計算方法」で差が出る|注文住宅の耐震性の確かめ方
「耐震等級3」は、いまや多くの住宅会社が掲げる言葉になりました。けれど、同じ等級3でも、その確かめ方には差があります。
「等級3相当」と「等級3」は同じですか。どんな計算で確かめた等級ですか。この質問に答えられると、耐震性の見方が大きく変わります。
このコラムでは、耐震等級の基本と、3つの確かめ方の違い、依頼先に聞いておきたいことをお伝えします。
耐震等級とは
耐震等級は、住宅性能表示制度にもとづく「地震への強さ」の物差しです。等級1から3までの3段階で評価されます。
| 等級 | 強さの目安 | イメージ |
|---|---|---|
| 等級1 | 建築基準法で求められる最低限の強さ | 極めて稀な大地震でも倒壊・崩壊しない程度 |
| 等級2 | 等級1の1.25倍の地震力に耐える | 学校や避難所などに求められる水準 |
| 等級3 | 等級1の1.5倍の地震力に耐える | 消防署や警察署など、防災の拠点と同じ水準 |
「等級3」と「等級3相当」の違い
「等級3」と名乗れるのは、登録住宅性能評価機関という第三者の評価を受けた住宅です。一方「等級3相当」は、設計者が等級3の基準で設計したという意味で、第三者の評価は受けていません。
「相当」の家が弱いという意味ではありません。ただし、地震保険の割引や住宅ローンの優遇は、評価書などの証明書類がないと受けられないのが一般的です。
強さの確かめ方は3つある
家の強さを確かめる方法には、大きく3つあります。下にいくほど確認する項目が多く、詳細な計算になります。
| 確かめ方 | 何を確かめるか | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| 壁量計算 | 必要な耐力壁の量とバランス | 建築基準法の最低限(等級1)の確認 |
| 性能表示計算 | 壁の量に加え、床や屋根の強さ、接合部など | 等級2・3の確認 |
| 許容応力度計算(構造計算) | 柱や梁など、部材一本ごとにかかる力 | もっとも詳細。大空間や大きな開口のある家に特に重要 |
同じ等級3でも、「どの方法で確かめたか」を聞くと、その会社の構造への考え方が見えてきます。

2025年4月から変わったこと
2025年4月の建築基準法の改正で、いわゆる「4号特例」の対象が縮小されました。2階建ての住宅などは、構造に関わる内容も確認申請で審査されるようになっています。同じ改正で、新築住宅は省エネ基準への適合も義務になりました。
ただし審査されるのは、あくまで「法律の最低限」を満たしているかどうかです。等級3を目指すかどうかは、これまでどおり建て主と依頼先が決めることです。
耐震等級3のメリット
- 大きな地震のあとも住み続けやすい:倒壊しないことに加え、被害を小さく抑えることが期待できます。
- 地震保険の割引:耐震等級3では、地震保険料が最大50%割引されます(証明書類が必要)。
- 住宅ローンの優遇:フラット35Sなど、金利優遇の対象になる場合があります。条件は年度によって変わります。
- 将来の資産価値:評価書があると、売却や相続のときに「強さ」を客観的に示せます。
依頼先に聞いておきたい3つの質問
- 耐震等級は、どの方法(壁量計算・性能表示計算・許容応力度計算)で確かめていますか?
- 第三者の評価(住宅性能評価)は受けますか?費用はどのくらいですか?
- 希望する大空間や大きな窓を入れても、等級3は保てますか?
ファンナハウスの考え方
ファンナハウスは、SE構法による許容応力度計算で、一棟ごとに建物の強さを確かめています。大きな空間や開口を計画するときも、「なぜ大丈夫なのか」を数字でご説明できることを大切にしています。
よくあるご質問
Q. 耐震等級3にすると、間取りが不自由になりますか? A. 壁を増やして強くする方法では、間取りの制約が増えることがあります。構造計算で部材ごとに確かめると、開放的な間取りと両立しやすくなります。
Q. 住宅性能評価には費用がかかりますか? A. はい。評価機関への申請費用や書類作成の費用がかかります。地震保険の割引などとあわせて、採用するかどうかをご相談ください。
Q. 平屋でも耐震等級は関係ありますか? A. あります。平屋は地震に有利といわれますが、大きな窓や大空間がある場合は、同じように強さの確認が大切です。
まとめ
- 耐震等級3は、等級1(建築基準法の最低限)の1.5倍の地震力に耐える水準
- 「等級3」は第三者の評価あり、「等級3相当」は評価なし
- 確かめ方は壁量計算・性能表示計算・許容応力度計算の3つ。許容応力度計算がもっとも詳細
- 依頼先には「どの方法で」「評価を受けるか」「希望の間取りで保てるか」を聞く