2026/10/20
中庭のある家のつくり方|都市でも光とプライバシーを両立する「内向きの庭」
カーテンを開けたままでも、誰の視線も気にならない。リビングの先には、家族だけの小さな空と、一本の木。
都市部の住宅地では、大きな窓をつくっても結局カーテンを閉めたまま──ということが少なくありません。そんな悩みに応えるのが、建物で囲まれた「中庭」です。
このコラムでは、中庭のある家の魅力と、形の選び方、計画前に知っておきたい注意点をお伝えします。
中庭のある家の魅力
- プライバシーを守りながら開けられる:外に対しては閉じ、中庭に対しては大きく開く。都市部でもカーテンに頼らない暮らしができます。
- 家の奥まで光と風が届く:建物の中心に外部が生まれるため、奥行きのある家でも自然光を取り込めます。
- 「もうひとつの部屋」になる:子どもの遊び場、朝のコーヒー、夜の守風景。屋外なのに家族だけの居場所が生まれます。
- 季節を感じる暮らし:一本の木の葉の色や影の動きが、家中から眺められます。
中庭の3つの形
| 形 | 特徴 | 向いている土地・暮らし |
|---|---|---|
| L字型 | 建物2辺で庭を囲む。開放感があり、コストも抑えやすい | 角地や、庭の一方を塗や植栽で守れる土地 |
| コの字型 | 建物3辺で庭を囲む。プライバシーと開放感のバランスが良い | 住宅密集地で、一方向だけ外に開きたい場合 |
| ロの字型 | 建物4辺で庭を完全に囲む。プライバシーと防犯性が最も高い | 周囲に建物が迫る土地、完全に内向きの暮らしを望む場合 |
※どの形が合うかは、土地の広さ・形・方角・周囲の建物の状況によって変わります。

計画前に知っておきたい注意点
- 外壁面積が増える:建物が中庭を囲む分、外壁や窓の面積が増え、建築費や断熱性能に影響します。
- 排水計画が重要:特にロの字型では、雨水の逃げ道を確実に計画しないと、大雨のときに水がたまるおそれがあります。
- 動線が長くなりやすい:中庭を回り込む形になるため、家事動線や部屋どうしの距離を意識して設計する必要があります。
- 広さと日当たりのバランス:中庭が小さすぎたり、周りの建物が高すぎたりすると、日が入らず井戸の底のようになることも。建物の高さと中庭の広さの関係を検討します。
- 手入れと管理:植栽の手入れや落ち葉の掃除、虫対策なども考えておきましょう。
中庭を活かす設計のポイント
1. 床の高さをそろえる
室内の床と中庭のテラスの高さを近づけると、窓を開けたときに内と外がひとつにつながります。
2. 「見せたい一本」を決める
植える木は多ければいいわけではありません。どの部屋からも眺められる「主役の一本」を決めると、空間に統一感が生まれます。
3. 夜の風景まで設計する
中庭を照らす少しの照明があるだけで、夜のリビングの景色が大きく変わります。窓ガラスに室内が映り込みにくくなる効果もあります。
4. 大開口を支える構造
中庭に面して大きな窓を設けるには、壁に頼らずに強さを確保できる構造が欠かせません。ファンナハウスでは、構造計算で安全性を確かめながら、中庭に大きく開く住まいを設計しています。
よくあるご質問
Q. 中庭はどのくらいの広さが必要ですか? A. 建物の高さや方角によって日当たりが変わるため、一概には言えません。ご計画の土地で日影を確認しながら検討します。
Q. 中庭をつくると費用は上がりますか? A. 外壁・窓・排水設備などが増えるため、一般的な形の家より費用はかかる傾向があります。形や規模に応じて個別にお見積もりします。
Q. 平屋でも中庭はつくれますか? A. はい。平屋は建物の奥行きが深くなりやすいため、中庭との相性は特に良い組み合わせです。
まとめ
- 中庭は、プライバシーを守りながら光と風を取り込める「内向きの庭」
- L字・コの字・ロの字など、土地と暮らしに合わせて形を選ぶ
- 外壁面積・排水・動線・日当たりを計画段階で確認する
- 床の高さ・主役の一本・夜の照明で、中庭の魅力が大きく変わる
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